腰痛持ちの学校

運動をする前に知っておきたい痛みの話

運動をする前に知っておきたい痛みの話

【運動をする前に知っておきたい痛みの話】では超超超基本的な痛みのしくみと、痛みの特徴を利用した腰痛の自力改善についての話をしていきたいと思います。

なぜ、腰痛を改善したいだけなのに、“痛みのしくみ”について勉強しないといけないのか

 

と思うかもしれません。

そう思う人は、すぐにこの教材を閉じてください。そして、腰痛が良くならないと嘆く日々に戻ってください。

あなたが感じている痛みには、腰痛を改善するために必要な情報がたくさん隠れています。

ただ、その情報を受け取るには、まず痛みの特徴を理解する必要があります。

今のあなたはまだ痛みの特徴を理解していないために、その貴重な腰痛を改善するための情報を受け取れていない状態です。知識をつけるだけで、腰痛改善にめちゃくちゃ大切な情報を受け取ることができるのに、、、

痛みはとても辛いものです。

だから、多くの方は痛みから腰痛改善の情報を見つけようと思う余裕もなく、はやく痛みをなんとかしてほしい、そういった思いで頭の中がいっぱいになり、“一回でよくなる” とか “ゴットハンド” とか聞こえがいいものに飛びついてしまいます。

しかし、痛みをなんとかしたいときこそ、痛みを冷静に捉え痛みと向き合うことが腰痛を改善する近道なのです。

この章では下記の流れで、普通の主婦である僕の母(50代)でもわかるように痛みのしくみについて解説していきます。

  1. 痛みの役割
  2. 痛みのしくみ
  3. 痛みの種類
  4. 痛みの特徴を見つけて腰痛の原因を分析する

 

上記を知るだけで、腰痛改善への道筋が見えるてくるはずです。

昨日よりも今日、今日よりも明日、少しでも腰痛が改善するよう一緒に学習して行きましょう。

 

1、痛みの役割

みなさん、痛みを感じたことはありますか。

腰が痛くてこれを見ているんだから、現在進行系で痛みを感じているのでしょう。

痛みが出て嬉しいという人は、それほど多くないと思います。

早くこの痛みから開放されたい

なんで、痛みなんかあるんだろう

 

あなたももれなく上記のように不快な感情を抱くはず。

痛みはとてもつらいもので、なければないに越したことはありません。

僕もそう思います。

ただ、痛みは生きていく上で非常に大切な身体に備わっているしくみです。

痛みがなければ、すぐに人は死んでしまうでしょう。

痛みは悪いものではありません。

痛みの役割を理解すれば、痛みをマイナスなものと捉え遠ざけるのではなく、腰の痛みを改善するために必要な情報を与えてくれる大切なものと、ポジティブに捉えることができるようになります。

そのためにも、まずは「痛みの役割」について理解していきましょう。

 

痛みは悪いものではない

痛みは身体に備わった《警告装置》です。

警報装置

痛い = 不快 = 悪い

と考えがちです。

確かに不快に感じますが、痛みは悪いものではありません。身体に起こっている異常を警告して、身体を守ろうとしているからです。

例えば、料理中に包丁で指を切ったらどうでしょう。

普通なら痛みを感じて、それ以上深く切らないように咄嗟に包丁を使うのをやめて、絆創膏を貼るなどの処置をするはずです。

痛みのおかげで間一髪、指を切り落とさずに済みます。

指を切る

しかし、痛みがないならどうでしょう。

何も気づかず包丁を使い続け、あたりが血だらけになってやっと、包丁で指を切っていることに気づくことでしょう。

痛みを感じず指を切り続けているもんだから、指の腱を切断しているかもしれないし、皮一枚で繋がっている状態だったらまだいいかもしれません。

痛みがないというのは、それだけ身体にとってはすごく危険なことです。

痛みは、身体を守るために備わった大切な《警告装置》です。

この痛みの警報装置には “作動するしくみ” があります。

《警告装置》が作動するしくみさえ分かれば、止める方法だってわかるんです。

次からは、痛みのしくみについて学習していきましょう。

 

2、痛みのしくみ

さっきの項目で、痛みは身体に備わっている《警報装置》だと言う話をしました。

ここでは、痛みの警報装置が作動するしくみについてさらに詳しく解説していこうと思います。

 

警報を鳴らすための “スイッチ” がある

痛みは、勝手に起こるものではありません。

痛みのスイッチが押されることによって、身体に起きている異常を脳がとして痛みとして認識します。

なので、ほとんどの場合は何か異常が起きない限り身体は痛みを感じることはありません。

この異常が起きた時に、反応するものをここでは “ 痛 み ス イ ッ チ ”  と表します。

 

電気がつくしくみと似ている

スイッチが押されてから痛みを感じるまでのしくみは、電気がつくしくみに似ています。

電球がつくしくみ

 

みなさん御存知のとおり、電気のスイッチを押すと、電線を電気が流れて、電球の明かりがつきます。

痛みも痛みスイッチが押されることで、神経に電気信号が走り、脳が痛みを認識します。

よく見ると、痛みを感じるしくみは、電気をつけるしくみと似ていますよね。

こう考えると、痛みを感じるしくみは意外と簡単に感じるのではないでしょうか。

 

3、痛みの種類

痛みには色々な種類があります。

  • 頭がズキズキ痛い
  • 足を捻ってジンジン痛い
  • 擦りむいてヒリヒリ痛い
  • 背中がズーンと痛い
  • お腹がシクシク痛い

 

痛みの種類の違いは、身体の気まぐれで起きているわけではありません。

押されている痛みスイッチが違うために、感じる痛みが違うということ。

痛みスイッチを押す刺激はたくさんあります。

  • 切る
  • 捻る
  • 炎症する
  • 異物が入る
  • 潰される
  • 折れる

 

こんな感じでたくさんある刺激に対して、痛みの種類が一つだけだと、どんな刺激が身体に加わって危険なのかがわかりません。

どんな刺激かわからないを少しでも減らすために、人の身体にはいくつかの痛みスイッチが存在し、痛みの種類を変えて、どんな刺激で身体に異常が起こっているのかを伝えてくれています。

僕が、痛みには腰痛改善のヒントが詰まっているというのは、これが理由です。

 

4、痛みの特徴を見つけて腰痛の原因を分析する

痛みには《腰痛を改善するための情報》がたくさん詰まっていることは少し理解していただけたと思います。

痛みの種類を詳しく見ていくと、痛みを起こしている原因をある程度予測することができるようになります。

原因を予測することができれば、痛みを改善する方法もなんとなくわかるようになります。

つまり、腰痛改善がスムーズにできるということ。

ここでは、痛みのしくみをどうやって腰痛改善に活かしていくかをお話します。

 

痛みのしくみと腰痛の自力改善

まずは、自分の腰痛の特徴を知ることが重要です。

腰痛改善で確認したい《痛みの特徴》は下記のとおり。

‐痛みセルフチェック‐

  • 痛みの場所(腰の下の方、背骨の近くなど)
  • 痛みの範囲(ピンポイント、広い範囲)
  • 痛む動作・姿勢(前かがみ、朝起きた時など)
  • 痛みの質(ピキッ、ズキ、ジンジンなど)

 

実際にまとめてみるとこんな感じ。

  • 痛みの場所:腰と骨盤の境目
  • 痛みの範囲:「ココッ」と指一本で指せる
  • 痛む動作・姿勢:前かがみになった時(特に朝起きた時に強い)
  • 痛みの質:ピキッ

 

上記のように、特徴をまとめてみましょう。

項目を分けて痛みをチェックしてみると、自分の腰痛の特徴を見つけることができます。

この特徴を利用して、次は具体的に《痛みを出している組織》と《痛みを出している組織にかかっている刺激》を見つけることで腰痛を改善していきます。

より詳しい改善方法は、第2章以降で解説します。

 

第1章のまとめ

  • 痛みには《警報装置》の役割があり、身体に起こっている異常から身を守っている
  • 痛みのしくみは電気がつくしくみににていて、痛みスイッチが押されることで脳が痛みを認識する
  • 痛みには色んな種類があり、押されている痛みスイッチにより痛みの感じ方が変化する
  • 痛みの特徴を見つけることで、どの痛みスイッチが押されているかがわかり痛みの改善の助けになる

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